この記事でわかること
- 「確信犯=悪いとわかっててやった人」と思っていませんか?
- 実は本来の意味はまったく違います。
- この記事では、「確信犯」の辞書的意味と現代での用法、言葉の変化をわかりやすく整理して比較します。
「確信犯」の本来の意味とは?
✅ 辞書的な定義(本来の意味)
「確信犯(かくしんはん)」とは、自らの信念・主義・思想に基づいて、あえて法律や道徳を破る行為やその実行者を指します。
✅ 使用例(本来の意味)
- 彼の行動は、宗教的信念に基づく確信犯だった。
- 政治的な主張からの行為であり、確信犯といえるだろう。
✅ ニュアンス・背景
もともと「確信犯」は、ドイツ語の刑法用語 überzeugungstäter の訳語で、思想犯や政治犯などを指す専門用語でした。
「本人が正しいと確信していること」が最大のポイントです。
現代での誤用とは?
✅ 誤用とされる使われ方
現代では「確信犯」が悪いこととわかっていながら、あえてやる人という意味で使われるケースが急増しています。
✅ 使用例(誤用)
- 遅刻の常習犯、あれはもう確信犯だよね(←❌本来は不適切)
- わざとミスしたなんて、確信犯的だ(←❌“確信犯”的な意味で使われがち)
✅ なぜ誤用が広まった?
- 「確信=わざとやっている」という直感的な誤解が広まりやすかった
- メディア・ドラマなどでも誤用された影響で一般化が進行
「確信犯」の本来の意味と誤用の違いを比較表で整理
比較ポイント | 本来の意味(辞書) | 誤用(一般的な使われ方) |
---|---|---|
意味 | 思想・信念に基づく行為 | わざと悪いことをする人 |
例 | 政治的信念に基づく違法デモ | 故意の遅刻やサボり |
ニュアンス | 正義感・理念に基づく | 悪意・確信犯的な態度 |
評価 | 中立的・専門的 | やや否定的・俗語的 |
「確信犯」どちらを使う?判断のヒント
- 法律・政治・信条に関する文脈 → 本来の意味(正しく使う)
- 日常会話やネットスラング的な文脈 → 誤用に注意しつつ理解する
ポイント:
公的・文章での使用では誤用を避けるべき。誤解を招く可能性があるため、「故意犯」「意図的行動」など他の語に言い換えるのもおすすめです。
まとめ:意味を理解して正しく使おう
- 「確信犯」はもともと“思想犯”という専門用語
- 現代では誤用が広まり、別の意味で定着しつつある
- 文脈に応じて、言い換えや説明を加えるのが望ましい