「愛されたいのか、それとも愛したいのか」──
恋愛の中で、この二つの想いがせめぎ合う瞬間は少なくありません。
相手から強く愛されることで満たされる人もいれば、誰かを深く愛することで自分の価値を実感する人もいる。
でも、ときにはそのバランスが崩れ、「なんでこんなに苦しいんだろう」と感じることも。
✔ 愛される安心感を求めたい
✔ 自分の愛で相手を包み込みたい
✔ 両方の気持ちが入り混じって苦しくなる
「愛されたい」と「愛したい」。同じ恋愛感情のようでいて、その根っこには微妙な差があります。
この記事では、そんな二つの感情の違いと、その背景にある心理をやさしく解説していきます。
「愛されたい」と「愛したい」はどう違う?
「愛されたい」と「愛したい」という感情は、一見すると似ているように思えます。
でもその奥には、まったく異なる心の動きが隠れています。
「愛されたい」は、《相手からの愛情を受け取ることで自分の価値を確かめたい》という気持ちが根底にあります。
安心感、承認欲求、自己肯定感──こうした感情が強く影響しているのです。
一方で「愛したい」は、《自分の愛情を注ぐことで相手との絆を深めたい》という感情です。
愛する行為そのものに幸せを感じ、自分の存在価値を実感する人も多いのが特徴です。
✔ 愛されたい → 安心感や満たされたい欲求が強い
✔ 愛したい → 愛することで満たされるタイプ
✔ 両方を行ったり来たりする人も少なくない
この違いを知ることは、自分自身の恋愛のクセを知る第一歩。
自分はどちらの気持ちが強いのか、少しずつ考えてみることから始めてみませんか?
愛されたい気持ちが強いときの心理
「愛されたい」という気持ちは、人間誰しも少なからず持っている感情です。
特に恋愛においては、この欲求が顕著に表れることがあります。
✔ 相手の愛情を感じることで、自分に価値があると思える
✔ 愛されることで孤独感が和らぐ
✔ 相手からの優しさや気遣いを強く求める
こうした心理の根底には、《不安》や《自己肯定感の揺らぎ》が隠れていることもあります。
たとえば、過去の恋愛で傷ついた経験があったり、家庭環境で十分に愛情を感じられなかった人は、「愛されたい」という欲求がより強くなる傾向があります。
「愛されたい」気持ちが強い人は、恋愛を通じて《安心できる居場所》を探しているともいえます。
ただし、それが過剰になると、
- 相手の愛情を試すような言動を繰り返してしまう
- 少しの変化に過敏になり、気持ちが不安定になる
- 愛されていないと感じると、一気に関係を終わらせたくなる
など、恋愛のバランスが崩れやすくなるリスクも。
「愛されたい」という気持ちはとても大切なものですが、それに振り回されないよう、自分の心の声を丁寧に聴いてあげることも必要です。
愛したい気持ちが強いときの心理
一方で「愛したい」という気持ちが強い人もいます。
この感情は、ただ相手を思いやる優しさだけではなく、《自分の存在意義》や《自己満足》に深く結びついていることも少なくありません。
✔ 相手に尽くすことで、自分の価値を感じる
✔ 「愛している自分」でいることに喜びを覚える
✔ 相手が自分を必要としてくれることが嬉しい
こうした「愛したい」気持ちは、一見するととても素敵な感情に見えます。
しかし、その裏には「自分がいないとダメだと思われたい」という支配欲や、恋愛を通して自分を正当化したい心理が隠れている場合もあります。
例えば──
- 相手が求めていないのに過剰に世話を焼く
- 相手に依存されることで、自分の居場所を確保しようとする
- 愛することが目的化し、相手の意思を無視してしまう
こうした行動は、相手との関係性に負担をかけることも。
「愛したい」という気持ちはとても尊いものですが、それが《自分本位の愛情》になっていないかを時々振り返ることが大切です。
本当に相手の幸せを願っているのか、それとも自分を満たしたいだけなのか──
その違いに気づくことが、恋愛を長続きさせる鍵になります。
両方の気持ちを抱えることもある
「愛されたい」と「愛したい」という感情は、どちらか一方だけを強く持つ人もいれば、両方の気持ちを同時に抱えている人も多いものです。
恋愛は本来、相手からの愛を受け取る喜びと、自分が愛を注ぐ喜びの両方が混ざり合って成立しています。だからこそ、
✔ 愛されると安心するけど、愛している実感も欲しい
✔ 「相手にもっと愛してほしい」と思いながら、自分も尽くしたくなる
✔ 自分ばかりが愛していると感じると不安になる
といった、複雑な感情が生まれるのは自然なことです。
例えば恋愛初期は「愛されたい」気持ちが強く、関係が深まるにつれて「愛したい」側に傾いていく人もいます。逆に、自分から積極的に愛を注いでいたのに、相手からの反応が薄いと「もっと愛されたい」という感情が募ることも。
両方の気持ちを抱えることは、決して優柔不断ではありません。
むしろ《自分自身のバランスを取ろうとする自然な心の働き》だと言えるのです。
大切なのは、その二つの気持ちに自分がどんな比重を置いているのかを知ること。
それを理解することで、恋愛の中での不安や迷いが少しずつ軽くなるはずです。
恋愛におけるバランスの取り方
恋愛において、「愛されたい」と「愛したい」という二つの気持ちをどうバランスよく保つかは、とても重要なテーマです。どちらかが強く偏りすぎると、関係が苦しくなってしまうことがあるからです。
例えば、「愛されたい」ばかりが強いと、相手に求めるものが増えすぎて、少しの反応の変化に過敏になり、不安や不満が募ります。一方で、「愛したい」気持ちが強すぎると、尽くしすぎてしまい、相手との間に《重さ》や《依存》が生まれてしまうことも。
✔ 自分がどちらの傾向が強いかを知る
✔ 愛されることも、愛することも「与え合うもの」と考える
✔ 相手の気持ちを確認し、歩幅を合わせる
恋愛は「与えること」と「受け取ること」の絶妙なバランスで成り立っています。
自分の傾向を知り、相手とのペースを見ながら関係を築くことが、お互いを疲れさせずに長く続く恋愛への近道です。
大事なのは、どちらが良い悪いではなく、《自分が安心できる恋愛の形》を見つけること。
そのためには、時々立ち止まって自分の気持ちを振り返る習慣を持つことが、とても大きな助けになるでしょう。
自分の恋愛傾向を見極めるヒント
「愛されたい」と「愛したい」、どちらの気持ちが自分の中で強いのかを知ることは、恋愛をうまく進めるための大きなヒントになります。
以下のような質問を、自分に投げかけてみてください。
✔ 恋愛をするとき、相手からの愛情表現が足りないと感じやすい?
✔ 「自分ばかり好きでいるのがつらい」と思うことが多い?
✔ 相手に尽くしているとき、自分の価値を強く感じる?
✔ 相手の喜ぶ顔を見るのが、恋愛のいちばんの喜び?
これらの答えによって、自分がどちら寄りの恋愛をしやすいかが見えてきます。
- 愛されたい傾向が強い人
→ 相手の愛情確認が多くなる。言葉や行動での安心が欲しい。 - 愛したい傾向が強い人
→ 相手に尽くすことで自分の存在価値を感じる。少しお世話焼きになりやすい。
もちろん、人によっては状況や相手によって気持ちの比重が変わることもあります。
自分の傾向を知ることは、自分を責めるためではなく、《恋愛で迷ったときに自分を守る指標を作る》ための作業です。
恋愛に正解はありません。大事なのは、自分が心地いい関係を築けるかどうかなのです。
「愛されたい」も「愛したい」も、どちらも大切な感情
恋愛において、「愛されたい」と「愛したい」は、どちらが正しいというものではありません。むしろ、この二つの感情はどちらも人間の自然で大切な想いです。
「愛されたい」と願う気持ちは、自分が大切にされたい、価値のある存在だと感じたいという心の叫びです。それは決してわがままではなく、人として当たり前の欲求です。
一方、「愛したい」という感情もまた、自分の愛情を注ぐことで相手の幸せを願い、自分自身も満たされるという素晴らしい気持ちです。ただし、それが行き過ぎると《自己犠牲》や《依存》に変わってしまうこともあるので注意が必要です。
✔ どちらか一方が強すぎると恋愛が疲れる
✔ バランスを意識することで心地よい関係が築ける
✔ 両方の気持ちを抱えるのは、ごく自然なこと
恋愛において大切なのは、どちらの気持ちも否定せず、自分の心と正直に向き合うことです。「愛されたい」「愛したい」両方の感情を持つことで、恋愛はより豊かで奥深いものになります。
そして何より、自分がどんな恋愛をしたいのか、その答えを知っているのはあなた自身なのです。
まとめ|「愛されたい」も「愛したい」も、自分らしさの一部
「愛されたい」と「愛したい」という二つの感情は、恋愛をするうえで誰もが一度は抱く思いです。どちらか一方に偏りすぎることで恋愛が苦しくなることもありますが、それ自体は悪いことではありません。
✔ 「愛されたい」は、自分を大切にしたい心の表れ
✔ 「愛したい」は、相手を大切に思う優しさの表れ
✔ 両方を行き来するのが人間らしい恋愛の形
大事なのは、自分がどちらの傾向にあるのかを知り、その感情に振り回されすぎずに向き合うこと。
恋愛に正解はありません。あなた自身が心から安心できる恋愛の形を見つけることが、何より大切です。
「愛されたい」と「愛したい」。そのどちらも、あなたという人間を形づくる大切な一部です。
恋を通して、自分の新しい一面を知るきっかけにしてみてください。