「敷居が高い」って言葉を聞くと、どんな情景が浮かびますか?
高級な店に入るのをためらう気持ち。
なんだか格式があって、入りにくい雰囲気。
そう思っている方、多いんじゃないでしょうか。
でも、それ、実は少し誤解なんです。
今日は「敷居が高い」という言葉が、本来どんな意味を持っているのか。
そして、なぜ誤解されがちなのかを、一緒に紐解いてみましょう。
「敷居が高い」の本当の意味
「敷居が高い」の本来の意味は、
過去に迷惑をかけたり、後ろめたいことがあって、相手の家や場所に行きにくい
というニュアンスです。
たとえば、
- 「借金を返していないから、あの人の家は敷居が高い」
- 「前に失礼なことをしてしまい、会社に顔を出すのが敷居が高い」
といった具合。
つまり、「自分が相手に申し訳ない気持ちがある」からその場所に行きにくい、というのが本来の使い方なんですね。
「高級で入りにくい」とはちょっと違う
一方で、最近よく耳にするのが、
「あのレストランは敷居が高くて入りにくい」
という使い方。
これは「値段が高そう」「雰囲気が気後れする」
という意味で使われていますが、本来の使い方とはズレています。
言い換えるなら、
- 「入りづらい」
- 「敷居が高そうな雰囲気」
- 「ハードルが高い」
こういった表現の方が、本当はしっくりくる場面も多いんです。
誤用が広まった理由
じゃあ、なぜ「敷居が高い」が高級なお店や場のイメージにすり替わってしまったのか。
おそらく理由は、
- 「敷居」という言葉自体に物理的な“境界”を感じる
- 格式の高い場所の入り口を想像させる
- 心理的なハードルを連想しやすい
こうしたイメージが、いつの間にか「敷居が高い」に重なったから。
言葉って、使われるうちに意味が変わることがありますが、本来の意味を知っておくと、やはり知的に見えるものです。
「敷居が高い」を正しく使うコツ
では、社会人として「敷居が高い」をどう使いこなせばいいか。
- 後ろめたさがあって、行きにくいとき → 「敷居が高い」 を使う
- 高級で入りづらい、雰囲気に気後れするとき → 「入りづらい」「気後れする」 など他の表現を使う
たとえばビジネスのシーンでは、
「前回のミスがあって、今は敷居が高い気持ちです。」
こう使うと、言葉をきちんと理解している印象を与えられます。
結論:言葉の背景を知ることが知的な一歩
「敷居が高い」は、高級だから入りにくいという意味ではなく、本来は「後ろめたさがあって足が向きにくい」という言葉。
誤用が定着しつつあるのも事実ですが、正しい意味を知っておくと、ちょっと大人な印象を持たれます。
言葉は使い方ひとつで、伝わる印象も変わるもの。
知っているだけで、一歩先を行くコミュニケーションができるかもしれませんね。
他にも、「これって誤解されてない?」と気になる言葉があれば、ぜひ教えてください。一緒に言葉の世界を深掘りしていきましょう。